昨今のグローバル化やIT技術の進歩等に伴い、世界は目まぐるしく変化しています。
次世代を担う子供達に求めれられているのは、「変化する世界を生き抜く力」です!
それは、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、「自ら考え、判断する力」であり、さらには、「自ら新しい価値を創造する力(クリエイティビティ)」です。
こうした「力」は、まさに子供の理系的素養を伸ばすことによって養うことができます。
本記事では、米国大学院に留学し、科学界の3大論文雑誌への掲載発表経験のある、バリバリの理系人である筆者が、実体験を踏まえて「幼稚園児から始める、理系の育て方」について、メリットと留意点を踏まえて解説します。
パパ育コミュ@ブログ部における「ブログ駅伝」の活動として、2021年6月のテーマ「子供に喜ばれた、プレゼント‼︎”残念な”プレゼントも⁉︎」に沿って、執走者それぞれが記事を書いてタスキをつないでいきます。
Cチームの走者は以下の通りです
第1区 シカゴリラ 【変化する世界を生き抜く力!】幼稚園児から始める、理系の育て方!〜5つのメリットと留意点!〜
第2区 おかさん 『【小学校の卒業旅行】親子2人でシャチ見学 週末弾丸ツアー』
第3区 ここやや 幼児期からのプログラミング教材にころがスイッチがおすすめ!!6ヶ月使用したレビュー【ポケモンバージョン】
第4区 こうkt 「子供に喜ばれたプレゼント! 残念なプレゼントはなに?」我が子たちが頻繁に遊んでいるおもちゃでランキング!5歳男児/3歳女子
第5区 まるげり 【幼児】ひらがな・カタカナを覚えるおもちゃで喜ばれたプレゼント3選
子供を理科好きにする5つのメリット

【メリット①】知的好奇心を育むことができる

幼少期の子供は、溢れんばかりの好奇心を持ち、身の回りの万物に関心があります。
気になった物を手に取り、感触を確かめてみたり、舐めてみたり、匂いを嗅いでみたり、五感をフルに使って身の回りの世界を感覚的に覚えていきます。
こうした、「幼少期の万物への好奇心」をしっかりと、「幼児期の知的好奇心」につなげてあげることがとても大切です。
そのための大事な手段として、子供の知的好奇心の源である「なんで?」という気持ちに、決して面倒くさがらずに、親が真摯に向き合ってあげることがとっても重要です。
【メリット②】物事を観察する粘り強さが身につく

子供が日常的に発する「なんで?」という知的好奇心に真面目に向き合うことは、実は忍耐力が必要です。

なんで、植物はご飯を食べていないのに成長するの?
こんな「なんで?」に子供が向き合うとします(親はサポートします)。
近所の植物店に行って種を購入してきて、プランターに植えて観察を始めます。
きっと、子供達は種から芽が出てくるのを心待ちにして、毎日プランターを覗き込んだり、中には種を掘り返してみる子供もいるかもしれません。
はやる気持ちを抑えながら、「じっくり、ゆっくり、時間をかけて観察する」ことで、芽が出た時にはとっても嬉しい気持ちになります。

すごい、種から芽が出てきた!
こうした、「じっくり、ゆっくり、時間をかけて観察する」過程を通じて、理系的素養の最も重要な基礎の一つである「物事を観察する粘り強さ」が身につきます。
【メリット③】「なぜ?」と考える、論理的思考力が身につく

メリットの3つ目は、「論理的思考能力」が身につくことです。
先程の植物の種を蒔いた話の続きをみながら「論理的思考能力」が養われる過程を見ていきましょう。
種を蒔いてから数日すると、芽が出てきます。
暫くすると、芽が大きくなってきて、葉っぱが茂ってくるようになります。そこで、葉が成長するために肥料を与えることにします。

うわ〜、肥料をあげると植物は大きくなるんだね!
もしかして、肥料が植物のご飯なんだね?

そうだよ。実は、植物は根っこから肥料を吸収することでご飯を食べているんだよ。それに、植物はいつも日向に置くようにしているだろ、なんでか分かる?

う〜んと、暖かいから?

実は、植物は太陽の光を浴びながら、エネルギーを作っているんだよ。植物には太陽の光からエネルギーを作る工場があるんだ。そこで、光からエネルギーを作る光合成をしているんだよ!

え〜、そうなの!だから、植物はご飯を食べなくてもいいんだね!
僕も光合成できるかな!う〜〜〜〜〜〜ん(光合成中)!
このように、植物を育てること(実験)で、「なぜ?」という知的好奇心からスタートした植物の成長関する疑問に対して、答え出しました。
こうした子供の「なぜ?」に真摯に親が向き合ってあげることで、子供の知的好奇心が伸びるとともに、自然と「なぜ?」から始まる仮説検証プロセス(「なぜ?」→「もしかして?」→「実験しよう!」→「分かった!」)という思考回路が身についていきます。
【メリット④】学校の成績が飛躍的に伸びる

学校の成績を伸ばすために大切なことは「生きた知識」を子供に身に付けさせることです。
学校の勉強は経済性や効率性を重視しているため、教科書ベースの座学になってしまいます。
教科書に書かれている知識というのは、先人が発見した叡智ではあり、決して自分が実体験として学んできたものではないため、「手触り感のない知識」となってしまいます。
教科書ベースの間接的な学習で得られる「手触り感のない知識」はなかなか覚えられませんし、覚えたとしてもすぐに忘れてしまいます。
一方で、自分の知的好奇心に基づき実体験として直接的に学習してきた「生きた知識」というのは、すぐに覚えられますし、一度覚えたらなかなか忘れません。
こうした実体験という直接学習を通じて「生きた知識」を多く身に付けた子供は、非常に効率的かつ効果的に学習を進めることができ、学校の成績が飛躍的に伸びる傾向にあります。
【メリット⑤】チャレンジ精神が身につく

実験を通じた学習というのは、学習効果が高いだけではなく、「成功体験」にもつながります。
実験(例えば、先日の植物の観察)は、一つのプロジェクトだったりします。
実験に使うプランターや種として何が良いかを考え、準備して、植物の成長を観察しながら仮説検証をしていきます。
こうした時間や労力のかかるプロジェクトを通じて、自分の知的好奇心が満たされたという成功体験は、次のチャレンジにつながっていき、子供のチャレンジ精神を養う大変いい機会となります。
【メリットのまとめ】

子供を理科好きにする5つの方法

【方法①】実験教材を使った家庭学習

【実験教材①】家庭用プラネタリウム〜星座に自分の名前をつけよう!〜
天体観察ですと、正座早見表を準備して夜空の観察もいいのですが、天気に左右されたり、都会だとほとんど星が見えなかったりしますので、家庭用プラネタリウムがおすすめです。
かなり本格的で、中のプレートを変えるとリアルな星にしたり、正座に切り替えたりと、遊びにも学習用にもとっても効果的です。
我が家も子供が3歳の頃に、プールのテストに合格した際のご褒美としてプレゼントしました(本当は親が欲しかっただけ!?)。
いつも寝ている寝室の天井に満点の星空が浮かび上がった時は、子供はとっても嬉しそうにしていました。
「これは長細いから、「縄跳び座」だね。こっちは四角いから「口座」だね。」
子供の発想は面白いもので、太古の昔に先人が星の並びを星座として認識し、名前を付けたように、子供も星座に名前をつけて遊んでいました。クリエイティブ!
しかも、副次的に効果として、子供がクズってなかなか寝てくれない時にこれを付けておくと、すやすやと眠ってくれることもあったりするので、学習という点だけではなく純粋に寝かしつけにも効果的です。
【実験教材②】ありんこ観察キット〜蟻は自分で捕まえます!?〜
ただの道端を歩いている蟻だって、立派な実験生物になります。
春から秋にかけては外に出ればたくさんの蟻さんが歩いていると思いますが、そうした蟻を「アリキャチャー」で捕まえてきて、半透明の青いゼリーでできた「アリの巣」に十匹も入れれば準備完了です。
蟻さんがせっせとゼリーを掘って巣を作ってくれます。
小さな蟻が縦横無尽にゼリーを掘り進めて立体的な巣を作っている様子に、子供は毎日観察せずにはいられません。
我が家も子供が4歳の時に、プールのテストに合格した際にプレゼントして購入しました。
我が家の場合は蟻を捕まえる「アリキャッチャー」はペットボトルに砂糖を入れて自作したので、「アリの巣」だけを購入しました。
子供ははじめは蟻への興味が薄く、怪訝な顔をしていたのですが、蟻がせっせと巣を作り始めるととっても不思議そうに観察をしていました。
特に、巣の形がどんどん立体的になり、巣がつながっていく様子が面白かったようで、「なんでこんな形に掘ってるのかな?」と知的好奇心がグングン伸びていました。
ただ、蟻さんは最終的に寿命を迎えて、死んでいってしまうので、生き物を使った実験では命の大切さについてもしっかりと伝えることが大切だと感じました。
蟻さん、ありがとうございました。
【実験教材③】野菜栽培キット〜きのこがオススメ〜
最近流行りの水耕栽培です。
家庭でも気軽にでき、栄養や光も調整できるので「植物の成長と肥料の関係」また、「植物の成長と光の関係」について実験するのでしたら最適です。
値段は安価とは言い難いですが、使い方によってはコスパは悪くありません。
個人的にオススメなのは、「きのこの栽培キット」です。
適度な湿気を保っていれば勝手にきのこがボコボコと生えてくるので、手間は簡単ですし、とれたてのフレッシュなきのこは美味しいです。
きのこが嫌いな子供も多いかと思いますが、自分で栽培して、自分で収穫したきのこであれば、意外と食べてくれるものです。
そういった意味で、栽培が簡単で、かつ食育にもなるため、非常にコスパが高いです。
我が家は子供が2歳の頃にフリーマーケットで、椎茸の栽培キットが偶然売られているのを見て購入しました。
家に帰ってきて、キットを水にジャブンとつけて(刺激を与える)、霧吹きで毎日水をシュッシュッとかけると、2週間程度でニョキニョキときのこが生えてきました。
しかも、一度生え始めるとすごいスピードで大きくなっていくおでダイナミズムを感じます。
子供ももちろん楽しんでくれますし、自分で収穫した椎茸をパクパク食べてくれたので、買ってよかったなと大満足でした。
ついつい、きのこ栽培にハマってしまい、椎茸だけでなく、エリンギや平茸の栽培にも手を出してみました。
ちなみに、勢いに乗った私は、ここぞとばかりに「きのこ図鑑」を購入しましたが、子供はついぞ興味を示さず、本棚に眠っています。
【実験材料④】幼児用の顕微鏡〜ツボワムシを見つけたら100点!〜
人間の視覚では見ることのできない世界を覗き込むことができる顕微鏡って、本当に素敵です。
子供の知的好奇心をくすぐること間違いなし。
特に、個人的にオススメなのは、近くの池の水を取ってきて観察すると、さまざまな生物がいることが分かります。
イカダモやクンショウモといった植物性プランクトンや、ミジンコやワムシといった動物性プランクトンまで、様々な微生物を観察することができます。
「汚い水を飲んではいけません!」という親の言い分もきっと子供は実感を持って理解してくれるはずです。衛生教育にも効果的ですね。
我が家は幼稚園児だと顕微鏡を使いこなすのは難しいかと思い、まずは簡易的なハンディー顕微鏡を購入して、ミクロの世界の入り口に触れさせることにしました。
みかんの皮を観察したり、机の木の微細構造を見たりしました。
ただ、うちの子はあまり食いつきが良くなく、むしろブラックライト機能を使って、夜になると真っ暗の部屋をブラックライトで照らして遊んでいたりします(目に気をつけないといけないですね)。
顕微鏡でミクロの世界に足を踏み入れるのは小学生からかな。
【実験教材⑤】プログラミング
プログラミングを教えたいなら「レゴブロックBOOST」はオススメです。
他の子供用のプログラミング教材とは一線を画す高度な内容になっています。
レゴブロックということもありロボットの組み立てから楽しむことができますし、プログラミングの学習としてもハイレベルです。
値段は安価とは言い難いですが、幼稚園児から小学生まで幅広く遊べるので、コスパは悪くありません。
我が家はまだ購入していないのですが、子供が来年から小学校に上がるので、そろそろ購入しようかとタイミングを見計らっていたりします。
ただ、下の子が小さいので、レゴブロックを食べてしまわないように対策をする必要があって、買いたいけど買えなかったりしています。
【方法②】日常のちょっとした「なんで?」

【日常の工夫①】家庭菜園
春先から夏にかけて、家庭菜園を初めて見ると、植物の成長を学ぶ上ではとってもいい経験になります。
ベランダでゴーヤやきゅうり、トマトを育てたり、ちょっと慣れてきたら、近所の菜園を借りて本格的に菜園を始めるのもオススメです。
自分で育てた野菜ですから、子供達もとっても美味しそうに食べます。
我が家の子供たちは、トマトやきゅうりなんかは、もぎたてを水でさっと洗ってムシャムシャと食べてしまいます。
【日常の工夫②】昆虫の飼育
昆虫を買ってみると、幼虫か蛹、そして成虫に変態する様がよく分かります。
生き物を飼うことで命の大切さを学ぶという意味では情操教育としても効果的です。
特に、昆虫は多くが一年で生涯を終え、そして、新しい卵を産んで命をつなげていくので、上手に飼えば命のサイクルなんかも学べたりします。
【日常の工夫③】ひまわりの栽培
ひまわりは初夏にかけてグングンと背を伸ばすので、ダイナミックで育てていて楽しいです。
加えて、ひまわりの花が開花すると、多くの虫が集まってきて受粉の仕組みを教えてあげたり、また、ひまわりの花が常に南を向いて咲いていることから植物と太陽の関係を教えてあげる機会になるので、とっても有益です。
我が家は幼稚園の送迎の集合場所に育てていたのですが、雑草と思われて処分されてしまいました。
ひまわりは大きくなるので、育てる場所が難しいですね。
【日常の工夫④】天気の観察
夕方や朝方に風が吹く理由、梅雨に雨が降りやすい仕組み。夏空に大きく浮かぶ入道雲、冬場の晴れの日に冷え込む放射冷却、居住地の天気の傾向(私であれば関東に雪が降らない理由)等、天気にまつわるネタはつきません。
天気予報を見ながら話をしてあげるといい勉強になったります。
【日常の工夫⑤【旅行にサイエンスのエッセンスを!
旅行はサイエンスに触れるいいチャンスです。
北陸に行く機会があれば恐竜博物館は本格的です。

沖縄の美ら海水族館のジンベイザメやマンタはすごい迫力です。

冬に北海道にいく機会があれば紋別の流氷は最高です。人生で一度は見たいですよね!
小さな町にもトマホークのような巨大なイトウを見れる水族館があったりもします。北の大地の水族館@北海道留辺蘂
是非、旅行にサイエンスのエッセンスを取り入れてみては!?
【方法③】科学技術博物館

家庭学習で理系の芽がニョキニョキ生えてきたら、是非科学技術博物館に行ってみてください。

皇居のすぐ側にある科学技術館はちょっと老朽化してきていますが、設備が充実していてとっても楽しく遊べます。

地元にもきっと理科の課外授業などで利用する科学技術博物館があると思います。
そうした施設では、定期的に一般参加が可能な実験教室をやっています。
効率施設なので安価ですし、指導員の方もサイエンス好きが多いので、学校の授業とは一味違う、質の高い実験学習を提供してくれます。
【方法④】サイエンス(科学実験)教室

もし、親が忙しい、家庭学習では限界がある、といった理由でプロに任せるのなら、サイエンス教室もオススメです。
最近では様々な民間の教室が提供されていますので、選択肢の一つとして検討してみてはどうでしょうか。
出費は嵩みますが、同世代の仲間とワイワイと楽しみながら論議を交わすのはとっても楽しいものです。
【方法⑤】無料の「オンライン教材」

オンラインで無料で使用できる教材もあったります。

NHKの家庭学習教材などは非常に質も高く、かつ無料ですのでオススメです。
最近はなんでもYOUTUBEを探すと、いい動画が見つかりますね。
子供の実験についても、動画で分かりやすく解説してくれるものが多数あります。
我が家の子供も、最近はYOUTUBEを見て自分で勝手に実験したりしています。
自ら実験をするようになると、親としては理系人材育成の初期段階は成功ですね。
【まとめ】子供を理科好きにする5つの方法

子供を伸ばす5つの留意点

ここまで、理系を育てる上での5つのメリットと具体的な方法について解説してきましたが、その過程では親のサポートが欠かせません。
そのため、最後に親が子供をサポートする上では上図のように5つの留意点があります。

このうち、最も大事なことは「親子で一緒に学習を楽しもう!」ということです。
親が楽しんで実験学習に付き合ってくれると、子供も実験学習が楽しくなります。
そして、お互いに会話を楽しむようになりコミュニケーションの機会になりますし、何より実験の醍醐味である仮説検証プロセスは論議の中に答えを見出していくことですからね。

また、個人的にとても大切だと思っていることとして、「なるべく小さいうちから始めよう!」という点があります。
子供が2歳くらいの時は、メリットにおいて前述の通り「万物に対して好奇心」を持っています。
しかし、幼少期に触れてこなかったものや、親から止められたものに対しては、興味を失ったり、意図的に避けたりするようになります(子供のうちに虫に触れることのない都会の子供たちは虫がさわれない子供が結構いたりします)。
こうした幼少期の「万物に対しての好奇心」を失う前に、早期にそれを知的好奇心を転換することが重要になってきます。
理系的要素を伸ばすタイミングは、いつ始めても遅いということはないのですが、もし始めようと思っているのであれば、できるだけ早期(幼稚園児以前)から始めることをオススメします。
【まとめ】幼稚園児から始める、理系の育て方!

以上、「【変化する世界を生き抜く力!】幼稚園児から始める、理系の育て方!〜5つのメリットと留意点!〜」でした。
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